95%の犬は生まれると母犬が持っている抗体をもらい受けます。
その移行抗体は8~12週齢の頃には弱くなり、自分で抗体を作らなければなりません。
その抗体を安全に作ることが出来るのがワクチンです。
病気を発症させない、もしくは症状を軽くすることが出来ます。
稀に副作用が出ることがあり、注意しなければならない点もあります。
ワクチン接種後すぐにアナフィラキシーショックを起こす場合があります。
嘔吐や下痢、顔やのどが腫れ上がり、呼吸がしにくくなってしまうため、注意が必要です。
ワクチン接種後30分位はすぐに動物病院を受診できるようにしましょう。
半日経ってから症状が出る場合もあるので午前中の接種、接種後は様子を見れる日を選んでください。
接種後、数日はストレスがかかることを避けるようにします。シャンプーはワクチンの数日前に済ませておくとよいです。
ワクチンの種類
【狂犬病】
法律で接種しなければならないことが定められています。
生後90日以上もしくは飼育してから90日以上の犬は接種しなければならない。
また、1年に1回接種すること。
登録証と接種済み証の鑑札は常時犬につけておかなければならないとされています。
※2022年6月施行のマイクロチップ装着、登録が義務化されますが、マイクロチップと狂犬病ワクチン接種が紐づけされ、犬に鑑札を付けなくても良くなります。
【混合ワクチン】
コアワクチンとノンコアワクチンに分かれています。
★コアワクチン
世界中で発症していて、発症すると重篤な状態になってしまうため、全ての犬に接種すべきとされています。日本では狂犬病もコアワクチンに分類されています。
●ジステンパーウィルス
●パルボウイルス
●犬伝染性肝炎(アデノウィルス1型)
●犬伝染性咽頭器官炎(アデノウィルス2型)
★ノンコアワクチン
住んでいる地域や環境によって接種することが望ましいとされるもの。
●パラインフルエンザ
●レプトスピラ
●ボルデテラ・ブロンキセプチカ
このため、獣医師によって取り扱うワクチンが違います。
種類が多ければよいという訳ではありません。むしろ、副作用を考えると必要最低限のワクチンを接種することが重要です。
【子犬のワクチンプログラム】
母犬からの移行抗体が残っている状態でワクチン接種をしても十分な効果を得られないことが多くあります。そのため、複数回接種して抗体を付けさせる必要があります。
移行抗体のある時期は42~150日、100日で9割の犬が無くなるといわれています。
プレジールの子犬の場合
●1回目のワクチン接種(6~8週齢・45~50日)5種ワクチン
最も早く抗体が切れることを想定して接種します。
●2回目のワクチン接種(1カ月後・75日) 7種以上のワクチン
●3回目のワクチン接種(1か月後・105日) 7種以上のワクチン
●ブースターワクチン (生後6か月~1才) 7種以上のワクチン
抗体を確定させるために接種しますが、日本では一般的に3回目までの接種を推奨しています。
◎毎年のワクチンを3回目の1年後(1才3か月頃)ではなく、誕生日毎の接種にするとよいかも知れませんね。
★追加ワクチンの時期
賛否両論ありますが、海外ではコアワクチンは3年に1度の接種のところもあるようです。
日本のワクチンの種類はコアワクチンとノンコアワクチンが一緒になっている場合が多いため、毎年接種を勧められています。
ワクチンの考え方にはいろいろあり、獣医師によって違います。
上記はプレジール主治医の意見に基づき、今までの経験も加えたものですので、他の考え方もあります。
お住まいの地域や環境にもよりますので掛かりつけの獣医師の意見を参考に飼い主様ご自身が判断してください。
【お散歩に出る時期】
お迎え直後~1週間は家で安静に過ごしてください。
その後、食欲があり、便の状態も良いといった場合は抱っこでのお散歩、車でのお出かけをしてもよいです。
但し、ペットショップに寄って子犬を触ったり、同居のワンちゃんをドッグランへ連れて行ったりは決してしないでください。
また、車でお留守番は熱中症の危険があるのでやめてください。
キャリーケースの中は高温になりやすいので特に注意してください。
移行抗体の事を記載しましたが、ほとんどの犬が2回目のワクチン接種の頃に弱くなっている事が多く、ワクチンにより抗体が出来ていると考えられるため、
2回目のワクチン接種後の10日後にお散歩を開始しても良いと考えています。
但し、子犬に元気がない、食欲がない等の通常と違う症状がある場合は延期します。
あくまでも、ワクチンネーションの途中であることをお忘れなく。
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